低血糖発作の時にブドウ糖がなかったら。

今日は世界糖尿病デーでした。

糖尿病専門医として、たまには糖尿病にまつわる話でもしてみます。

 

投薬している糖尿病患者さんにとって怖い症状の一つに低血糖発作があります。

薬の効果が強く現れ過ぎて、正常な血糖値を下回ってしまい様々な症状がでてしまう状態を言います。

血糖は血管という道を運搬されている糖分のことです。その糖分の量が血糖値という値で示されます。血管という道は身体中に張り巡らされており、糖分などの栄養を様々な組織に運搬する役割を担っています。低血糖はその道で運搬される糖分という栄養が少なくなる状態を言い、栄養が必要としている組織に届けられないことにより、様々な症状をおこします。主な症状としては

  •         吐き気
  •         気分不快
  •         不機嫌
  •         発汗
  •         動悸(心臓がどきどきする)
  •         ふるえ

などがあり、さらに低血糖が進行すると意識障害やけいれんなどが起こることもあります。

症状としては初期から不快で、進行すると重篤な厄介なやつなのです。

 

この低血糖発作が生じた時のために担当医は大抵患者さんにブドウ糖10gを渡しています。

低血糖時にこれを急いで飲んでもらい、血糖値を上げて急場をしのいで欲しい、というものです。

 

ただ、患者さんからは、持っていない時にはどうすれば良いのかという質問をよく受けます。

 

そんな時はジュースを飲んでね。と伝えます。

 

すると今度は、じゃあどんなジュースが良いのか、と聞かれます。

 

たしかに。

一言でジュースといっても色々あります。

そこで低血糖発作時に飲むと回復しやすい飲み物5選を挙げてみたいと思います。

 

1 カルピスウォーター

2 ファンタ

3 三ツ矢サイダー

4 コカ・コーラ

5 オロナミンC

 

 

古典的なドリンクが並びますが、何を基準に選んだかというと、効率よくブドウ糖を摂取できる、つまりブドウ糖含量の多いドリンクであり、普遍的で見分けやすく比較的どこでも手に入るものです。

カルピスウォーターは500ccのペットボトル1本に20g程度のブドウ糖が含まれています。

ファンタはそれより多い30g、三ツ矢サイダーは20g、コカコーラも20g程度です。上4種はブドウ糖メインでショ糖はあまり含まれていません。

オロナミンCは1本120ccです。その中にブドウ糖は6.8gと10gには届きませんが、同じ程度のショ糖も含まれており、ブドウ糖が急場をしのいだ後にショ糖が緩やかな血糖上昇を起こさせ、血糖値を維持してくれる可能性があります。

低血糖発作が生じた際にはコンビニに駆け込み、上のどれかを買い、1-4ならば半分、5ならば丸々1本飲めば良いと思います。

 

ちなみに、熱中症などで登場するスポーツドリンクは案外ブドウ糖含量が少なく、低血糖発作には向いていません。

人工甘味料を多く用いたドリンクも多数ありますので注意が必要です。なんとかゼロとか、カロリーオフとか書かれているものは人工甘味料で甘さをつけていることが多いため、基本的にはあまりブドウ糖を使用していません。ですので、飲んでも血糖値は上がりません。コカ・コーラでもゼロはダメです。

また、甘いコーヒー類はショ糖を使用して甘さをつけていることが多いのが問題です。ショ糖でも血糖上昇は果たせますが、ブドウ糖と比べ吸収に時間がかかるため即効性という点で劣るからです。特にボグリボース、アカルボース、ミグリトールといった糖の分解を抑制することで効果を発揮する糖尿病治療薬を用いている場合、ショ糖がブドウ糖に分解されるのを薬が防いでしまっているため、余計に時間がかかります。

低血糖発作で緊急を要するとき、そのようなリスクを回避するためには元々ブドウ糖含量の多いドリンクを飲むことをお勧めしています。

上の5種、コンビニにはいればどれかは必ずあると思います。万が一低血糖発作を起こした際に適切に対処できるよう、覚えておいていただければと思います。

 

以上、糖尿病デーに併せて、糖尿病関連の話でした。

関係ない方には申し訳ありません。

長嶋 理晴 | 医学 | 00:08 | comments(0) | - |
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