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あの日の後悔

前2回、昔の医局の理不尽な命令のことを書きました。
私は典型的なイエスマンなので、医局の命令を拒否したことはほとんどありませんでした。
拒否したのは2回だけ。
1回は先代が亡くなり医院に戻らなければならなくなったとき、教授から慰留されましたが、これは拒否しました。
医局に私の代わりはいくらでもいますが、医院には父の代わりは私しかいなかったからです。代わりになれるとは今でも思っていませんが、私以外にそれを果たせる者はいませんでした。
なので、後悔していません。

もう1回は7年前の今日。
地震の時地下の動物実験室で実験していましたが、余震が続いたため実験を中断せざる得ませんでした。
研究が出来ずに津波の中継をするテレビを途方に暮れながら見ていたら、教授から電話がありました。
「これから災害派遣で東北に行ってくれるか」

「行きたい」
と思いました。
医者としての自分の力を何かに役立てたい。
テレビの中継をみて途方に暮れるより遥かに良い。と。
でも地震で中断してしまった実験が頭をよぎりました。
動物は置いておくと当然育ちます。
これから東北に行ってしまうと実験が失敗してしまう。
数十万円と数ヶ月の時間がパァになります。
教授にその旨を伝えたら、「それなら長嶋君は次の派遣隊で」と言って電話は切れました。

結局その数日後に父が他界して私は東北に派遣されることなく浜野の医院を継ぎました。

あの時、研究なんか無視して東北に行けばよかった。

そうしたら、実験は失敗。
父の死に目にも会えなかったでしょう。
でも、今でも、あの日に誰の力にもなれなかった自分をすごく悔いています。

あれから7年。
地震で亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
長嶋 理晴 | 日常 | 00:47 | comments(0) | - |
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